天台宗の葬儀の一連の流れに関して
天台宗においては、すべての方が仏になることができるとされていることから、葬儀にあたり仏となるための備えをするのが特色になります。洒水、塗香を活用することによって体を清めて、剃髪式を実行します。剃髪式につきましては、煩悩を振り捨てる出家の儀式という形で実行されることから、現実の上で剃髪に関しましてはせずに故人の頭に対して剃刀を当て実施します。
葬儀の流れとして、 天台宗は、受戒及び引導を主として実施されます。受戒においては、仏教のベースの三帰受戒と言われている三つの戒め受けることになります。それを受けることによって、僧という立場で仏門にはいったと認められることになります。
引導においては、この世界においての執着をあますところなく捨てさり、浄土へと出発するために導師そのものが菩薩戒偈を唱えることになります。引導後は、下炬を執り行います。下炬と言いますのは、導師自身が松明を持って、空中に対して梵字及び円を描いたのち、遺体を焼く燃料へと火をつけるセレモニーのことをいいます。
現実の上で火をつけるということではなく、火葬前に実行するひとつの儀式といえます。一番最後に南無阿弥陀仏を十回唱え、葬式は完結となります。